「潜在的雨漏り」。
雨漏りの調査・修理の仕事をしていて間違いない事実があります。
雨降りが一日だけでは雨漏り相談の電話が鳴ることは少ないですが、
この雨が二日、三日と続けば一挙に雨漏り相談数は増えて来ます。
なぜなら、建物内に浸入した雨水がある一定量を超えなければ
室内から雨漏りを目視で確認することは出来ないからです。
例えば、コップに水を注ぎます。満杯直前で止めれば、水はこぼれません。
その水をそのままにしておけば、やがて蒸発し、乾いて空っぽになります。
しかし、満杯の水が蒸発する前に注ぎ続ければ、やがて水は溢れポタポタと流れ落ちます。
実に単純なメカニズムです。
この現象が天井内や外壁内で知らず知らず繰り返されている建物があります。
浸入した雨水が少量なら天井材や壁材、断熱材で堰き止められ、
或いは断熱材に吸収され、そこに留まり、やがて蒸発して無くなります。
しかし実際には雨漏りの事象が目視出来ないところで繰り返されており、
構造材や下地材に変色や腐朽が発生している可能性があります。
浸入した雨水がある一定量を超える時、例えば梅雨時の長雨、夏のゲリラ豪雨、
秋の台風等、堰き止められていたり、吸収されていたはずの雨水が天井と壁の
継ぎ目部分や窓サッシのビスから染み出して室内から目視で確認できる状況になります。
全ての雨漏りがこの事象に当てはめることは出来ませんが、
この単純な雨漏りの事象が天井内、外壁内で繰り返されている建物は結露で無い限り、
天井や室内壁の表面に滲み跡、変色、クロス紙の剥がれが起こり、
「潜在的雨漏り」が発生している可能性を教えてくれます。
早め早めのご相談・調査・修理が建物の維持管理には必要です。