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雨漏り、水みちが変わる。

雨漏りの原因調査に行き、状況確認の問診(聞き取り)をしたとき、

よく言われるのが、雨が降ってそのたびに雨漏りするわけではないが、

雨天時で〇〇方向からの風が吹いた時に限って雨漏りがする。

雨の降り方、風向き、降り始めからの降雨量等、気象条件がそろって

はじめて同じ雨漏りが発生する状況になるようです。

雨漏り調査をする時、雨漏りを再現させることができるかは

雨水浸入(要因)部分にどれだけのスピードでどれだけの量の

検査水(水道水)を注入するかで決まってきます。

気象庁の雨に関する用語の中に「猛烈な雨」という表現があります。

1時間に80㎜以上の雨で、台風時によく使われる用語です。

基本的に私はこれを最大注入量とし、検査水(水道水)の量を考え注入します。

具体的に言えば検査キットのイルリチャージャー(点滴のような器具)で

1分間に約90滴までが最大の注入量と考えています。

遅すぎると検査に時間が掛かり、速すぎると症状の違う雨漏りを

作ってしまう可能性があるからです。

例えば建物内に浸入した雨水が構造材の天端や天井仕上げ材の裏側に

ポタポタと落ち始めた時、流れる方向は勾配沿いに向かい雨漏り発生部分に

進むのが普通ですが、速すぎると滞留量が多くなり、勾配沿いに進むべき

量より横に広がる量が多くなり、その水が一旦落下しだすと、その方向に

水が引っ張られ進むべき方向に行かなくなり、水みちが変わり起るはずの

ない雨漏りを作ってしまうことがあります。

水道水の散水量の調整が難しいホースによる散水方法に比べて、

イルリチャージャーによる注入方法は点滴のように注入量を

調整しやすいので、適度な注入量を考え検査することが可能です。

「雨漏り検診士」として、注入量には注意を払って、的確な検査を

行い正確な雨漏り原因の特定をしていくことが大事だと考えます。