続、雨漏り修理の三原則。
次に「導水」という修理方法についての考え方です。
以前こんな雨漏り事例がありました。
大きな鉄骨構造の商業施設の事務所、天井から雨漏り。
天井に点検口があり、天井裏に雨水が落ちている箇所は
目視で確認できますが、浸入口は分かりません。
高層階にあり、真上の部屋は別会社さんが、下の階は
飲食店さんが使用していて、営業上の問題も有り、
足場が立てれず、雨漏りの原因調査が出来ません。
雨漏りしている部屋は会議室に使用していて、使用頻度が
少ないので、簡易的に修理して欲しいとの依頼者のご意向。
雨水が落ちてくる箇所は目視で確認できますので、
その落水してくる雨水を誘導し、まず容器で受け止めます。
(バケツや洗面器で雨水を受けているイメージです。)
受け止め貯めた雨水の容器をパイプ又はホースに接続し、
外部に排出するか?又は室内の隅にポリタンクを設置し、
そちらへ誘導し、溜まった雨水を処理する。
会議中に天井からポタポタと落ちてくる事象はなくなり、
中断することなく、会議は進められます。
私の雨漏り修理の三原則「防水」「導水」「雨仕舞」の
一つである「導水」という修理方法の一例です。
但し、この建物は鉄骨構造で雨水の浸入量も少なく、
雨漏りが構造材に影響を与える可能性が少ないと判断し
提案させて頂いた雨漏り修理事例です。
木造の建物では長期間にわたる浸入水が腐朽、蟻害等で
木構造材に悪影響を与える可能性がありますので、
やはり雨漏り調査で原因を特定して、雨水が建物内に
浸入することを防ぐ修理方法が良いという事になります。