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梅雨の【雨漏り】、台風の【漏水】?。

 

こんにちは。

雨漏りと闘う男!炎の雨漏りファイター」です。

 

梅雨明けと共に暑い猛暑の日が続いています。

今季の梅雨は長く、しかも降水量が多く、

たくさんの方から多くの雨漏り相談をお受けしました。

ようやく天候も落ち着きを取り戻しつつあるところ、

梅雨明け後、すでに台風が2個発生しており、

これから先、日本列島周辺を台風の通過が予想されます。

この梅雨時に雨漏りされたお家の方は台風通過時の

降雨で雨漏りが沈静化しているか、特に注意が必要です。

 

【雨漏り】と【漏水】

 

今回は「雨漏り」と「漏水」の違いについて説明させていただきます。

「雨漏り」と思っていたのが「漏水」であったり、またその逆であったり。

その見極めは大切であり、非常に難しく、「漏水」と思っていた「雨漏り」を

見過ごし放置しておくと建物に深刻なダメージを与える被害の発生に

つながる危険性もあり、素早い対応、「調査」、「修理」が必要です。

 

雨漏り」は雨水が外装の不具合部分から建物内に浸入して、天井や内壁等に

染み跡やカビの発生を室内側から目視確認できる事象です。

気づきにくい箇所での雨漏りは構造材の腐食が進み建物に多大な悪影響をもたらします。

漏水」は建物内の水廻りの設備配管の不具合発生や水の出しっぱなしによる水の

被害であり、「水漏れ」とも言われ、割と早い段階で気づくことが多いです。

 

【雨漏り】と【漏水】の対応保険

 

雨漏り」の修理費用は新築住宅の場合、引き渡し日から10年以内であれば

住宅瑕疵担保責任保険法人の「瑕疵担保責任保険」や中古住宅売買による取得した

住宅の場合、「既存住宅瑕疵保険」に加入し保険期間内であれば保険支払いの対象となります。

漏水」の給排水設備の事故による被害は火災保険の「水濡れ」で補償されることになります。

事故の原因となった排水設備自体(洗面台や流し台等の本体)の修理代は補償されません。

 

【台風による「暴風」、「豪雨」の自然災害】

 

台風による自然災害が原因で起きた事故は火災保険で補償されます。

例えば台風で屋根瓦が飛んだ、窓ガラスが割れた等で雨が吹き込んで、家財道具が

濡れた場合や家電が壊れてしまった「漏水」被害は火災保険の「風災」で保証されます。

しかし、サッシ枠の立て付けが悪かったことによる元々の隙間から入った雨水による

「漏水」水濡れ被害の補償は保険対象外になります。

元々の建物の老朽化が原因の「予測できる事故」は保険対象にはなりません。

 

台風の「雨漏り」?、「漏水」?

 

・瑕疵保険対象になる「雨漏り」か?

・「漏水」補償になる損害保険はどれか?

台風による「雨漏り」という相談はあるのですが、それって「雨漏り」?「漏水」?

雨漏り調査をし、原因が分かったとしても、この判断は立場上たいへん難しい時があります。

 

住宅瑕疵担保責任保険法人の「免責事由」の項目の中に下記二つの内容が含まれています。

●次に掲げる事由により生じた損害に対しては、保険金をお支払いいたしません。

・洪水、台風、暴風、暴風雨、竜巻、豪雨等の自然現象・・・

・対象住宅に採用された工法に伴い、通常生じうる雨水の浸入・すきま・たわみ等の事象

 

【重要ポイント2点】

 

1.台風による自然現象的な「漏水

2.台風時以外にもある潜在的な「雨漏り

 

自然現象による「漏水」とは、普段の雨天時では雨掛かりしない箇所へ雨水が吹き込む、

台風時によく耳にする「横なぶりの雨」、「吹き上がりの雨」による建物内への浸入水。

通常の雨天時ではありえない小屋裏換気材、ベントキャップ、軒裏からの雨水浸入。

この場合の被害は「雨漏り」ではなく「漏水」、火災保険による「風災」で補償交渉

すれば良いわけで、しかも通常の雨天時では浸入しないはずですので、建物の構造体に

与える影響も一時的で、そんなに心配する必要はないと思います。

 

しかし、100%安心してはいけない場合があります。

ここで見落とさず気を付けなければならないのが、「潜在的な雨漏り」です。

よく「台風時だから雨漏りも仕方がない」と楽観的な言葉をお聞きすることがあります。

確かに台風による異常な吹き付けるような暴風雨時だけの漏水ならそうかもしれません。

本当にその特殊な時だけなのか?今一度確認してもらいたいことが2点あります。

 

・漏水周辺部分の「変色」、「クロス剥がれ」の有無

・4月から7月の「羽アリ」の発生

 

このような状況があるのであれば「潜在的な雨漏り」を疑ってください。

目視では確認できなくても、建物内で雨水が滞留している可能性があり、

下地の石膏ボードが水分を含み、結露を起こしているような状況になり、

カビの発生による「変色」や、「クロスの剥がれ」の症状になる場合があるからです。

さらに繰り返し湿潤した状況が続けば、「シロアリ」にとって住みよい環境になり、

構造材にまで食害が広がり、雨漏りの一時被害から二次被害に連鎖します。

過去に台風以外で一度でも、梅雨時や長雨時に「漏水」したのであればそれは

「漏水」ではなく「雨漏り」の可能性があることを認識してください。

 

【高気密住宅】と【潜在的雨漏り】

 

「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる。

暑きころ、わろき住居は堪えがたき事なり。」吉田兼好「徒然草」の一文です。

鎌倉時代の建物は夏重視で風通しの良い造りをしていたようで、障子程度で

風を防いでいた時代と違い、現代では気密サッシを使用し、夏涼しく、冬暖かい

気密住宅へと建物構造が変わっていきました。

 

「高気密住宅」は防湿シート、発泡断熱材、気密テープなどを使って

隙間無く仕上げ、出来るだけ水蒸気を通さない家を作って建てられています。

隙間風や外気の流入が無い分、外の寒さや暑さの影響を受けにくい構造になっています。

そのため、雨水が一旦建物内に浸入した場合、断熱材や防湿シートに遮られ、

室内側から目視による漏水確認など雨漏り事象が現れにくく、長い期間を経て、

構造材を腐食し、耐震性の低下等の悪影響を建物に与えてしまいます。

 

 

気が付いた時点では雨漏り被害が広がっている可能性があります。

台風や長時間の大雨時に、雨水の量が飽和して持ちこたえられなくなった

ときに初めて「雨漏り事象」として、室内側から目視で確認できる状態になります。

この時、「台風時だから雨漏りしても仕方がない」と見過ごしてはいけません。

せっかく住まいが教えてくれたチャンスを逃してしまうだけではなく、

大事な家の資産価値を低下させていることになります。

台風時の「漏水」は「潜在的な雨漏り」と疑うことも必要です。

その見極めが大事であり、難しい判断ですので、「雨漏り?」と疑う事象があれば、

先延ばしすることなく、「雨漏り調査のプロ」に速やかに相談し判断してもらいましょう!

 

2年前の2018年、航空燃料タンカーが関西国際空港連絡橋に衝突した台風多発の年に

 

 

雨漏りした家の方から、「今季の梅雨でその時以来2年ぶりに雨漏りがした」と

いう同じような内容の相談が複数件ありました。

しかし残念ながら、調査結果から判断して、その時と今回の2回だけではなく、

潜在的な雨漏り」は知らず知らずに何回も繰り返し起こっていた可能性があります。

 

 

雨漏りと闘う男!炎の雨漏りファイター」からの提言です。

「台風時の漏水は見過ごし後回しにすることなく、

速やかに相談されることをご提案させていただきます。」

「今季の梅雨で雨漏りしたお家なら尚更です」という一言も

付け加えさせていただき、今回はこれにて失礼させていただきます。