こんにちは。
『雨漏りと闘う男!炎の雨漏りファイター』です。
よろしくお願いします。
今回は
「雨漏り 胴縁 縦と横どちらが危険!」
という題目でお話しさせて頂きます。
そもそも「胴縁」とは何?
サイディングなどの外壁材を
留め付ける為の下地材であり、
*通気層の確保
*下地の不陸や段差の調整
などを目的に使用されます。
厚みは15ミリ~18ミリ
樹種はスギ、アカマツなどを使用します。
『縦胴縁』
サイディング板を横にして張る為の下地組みです。
※ニチハ(株)様 モエン標準施工より抜粋一部加工
『横胴縁』
サイディング板を縦にして張る為の下地組みです。
※ニチハ(株)様 モエン標準施工より抜粋一部加工
縦胴縁 VS 横胴縁 どちらが危険!
『通気量』
標準施工図を見て明らかなのは
*縦胴縁の横間隔は約450~400ミリ
*横胴縁の横間隔は約30ミリ
どう考えても、縦胴縁の方が通気量は高いでしょう。
『外壁材からの雨水浸入の可能性』
*横張り(縦胴縁)は一般的にシーリング材の
使用量が縦張り(横胴縁)に比べて多く、
シーリング材劣化による雨水浸入の可能性が高い。
*横張りは横継手目地、縦張りは縦継手目地の為、
雨水がサイディング材表面を伝い流下する時の
目地当たりは横目地の方が抵抗が多く雨水浸入の
可能性が高い。
上記の理由で横張りの方が縦張りに比べて
外壁材からの雨水浸入の可能性が高いと
考えられていましたが、
縦張りの場合でも、サイディング上下継手部分に、
中間水切りを使用しないでシーリング材を
充填することによって、縦目地伝いに流下した
雨水がシーリング材に堰き止められ、
外壁材内部の通気層に浸入する事例もあります。
結論から言えば
メリット、デメリットがありますが
標準施工通りに施工し通気層を確保すれば、
縦胴縁でも横胴縁でも雨漏りの危険性は
同じく小さいという事になります。
サイディング材の裏側通気層に雨水が浸入する
可能性は少ない方が良いのに決まっていますが、
一番大切な事は浸入した雨水が通気層を通り、
速やかに流下し、基礎の土台水切りから外部に
排出されるような胴縁の下地組み施工が
標準施工通り出来ているか?どうかです。
横胴縁の被害例
標準施工通りに通気層の確保や通気道が出来ていない
建物では雨漏りや下地材の腐食等の被害が出ていて、
最悪の場合はサイディング材の脱落も考えられます。
雨水浸入経路事例
①サイディング材の裏側通気層に浸入した雨水が
流下し横胴縁に到達する。
②胴縁沿いに横移動し、防水紙の重ね継手部分から
防水紙の裏側に浸入する。
③防水紙の裏側に浸入した雨水がサッシ廻りの
防水テープを浸透しサッシ上枠に滞留する。
④時間の経過と共にサッシ上枠や留め付けビス穴より漏水。
稀な事象ではあるが実際に雨漏りした建物の事例です。
『対策』
*横胴縁は標準施工通り、2000ミリ以下の間隔で
30ミリの隙間を作り通気と共に浸入水を速やかに流下させる。
*サッシや開口部上では防水紙を重ね継ぎしない。
どうしても継がなければならない時は、
継手部分に片面防水テープを張り止水する。
『腐らない胴縁』
合成木材
水に塗れても腐らない胴縁として販売されています。
発泡樹脂にアルミ心材を一体成形することで
*伸縮が少ない
*腐らない
*品質が均一
木材のデメリットを克服した建材です。
通気留付け金具が使用できない厚み14ミリの
サイディング材を使用する時には最適な胴縁です。
施工例
『木胴縁を使用しない施工方法』
通気留付金具
金具の厚み分15ミリの通気層が確保できます。
厚み16ミリ以上のサイディング材を使用する
場合に使用できる留め付け金具です。
通気留付金具施工例
【結論三点】
*適正な施工方法である標準施工を守れば、
胴縁の縦、横施工方法による雨漏りリスクは関係ない。
*厚み14ミリのサイディング材には腐らない胴縁
(合成木材)を使用するのも一つの方法である。
*厚み16ミリのサイディング材には通気留付金具を
使用し、木胴縁を使用せずとも通気層を確保できる。
『雨漏りファイターの独り言』
雨漏り修理を依頼され外壁材を撤去して、
胴縁の腐食状況を見比べた場合、過去の経験
では縦胴縁に比べ横胴縁の方が腐食が進み、
本来の機能が失われている建物が多いように
思います。
標準施工が行われず、通気の確保を誤ると
横胴縁と縦胴縁の木材の腐食具合は明らかに
横胴縁の方が見た目でも多大な被害になると
考えます。
『最後に提案三点』
*サイディング材は厚み16ミリ以上を
使用しより強い強度を求めましょう。
*通気金具留め工法を採用し、
木胴縁を減らしましょう。
*四方合いじゃくりサイディングを使用し、
シーリング材の使用部位を減らしましょう。
一次防水である外壁材からの雨水浸入を防げれば、
雨漏りが発生する可能性を限りなく小さくできます。
雨漏りは「経験」「知識」「技術」のある
雨漏りと闘う男!炎の雨漏りファイターへ
安心してご相談・調査・修理をお任せくださいませ!
今回はこれにて失礼させて頂きます。