こんにちは。
雨漏りと闘う男!炎の雨漏りファイターです。
今回は
『雨漏り!残存年数を考えて修理費用を抑える』
という考え方についてお話しさせていただきます。
【残存年数を考えた雨漏り修理方法 三点】
*根本的な雨漏り原因箇所を健全な状態に直す
*雨漏り原因箇所に雨水が浸入しないように直す
*雨水浸入要因部分を止水して、対蹠的に直す
建物状況に合わせて、この三種の考え方に基づき
修理・補修方法を選択することがベストだと考えます。
この雨漏り業に携わった初期の頃は、
「何が何でも雨漏りを完全に止めて見せる」
という思いで雨漏りに立ち向かっていました。
しかしながら、修理経験を積んで行く間に、
何か?違うと思い始め、考えを改めました。
雨漏り調査をして、原因を究明した後は、
押しつけの修理提案ではなく、相談者の考え、
思いに沿い、相談者の立場に立たなければ
納得してもらえる雨漏り解決にはならないと。
雨漏りでお困りの相談者は
「雨漏り原因を特定し、雨漏りを止めて欲しい」
という共通の願いを皆さんお持ちです。
しかし、その後の修理方法・費用に関しては
それぞれの相談者なりの考え、予算があります。
*家族構成
*建物の建築後年数
*修理に掛けられる経済的な余裕
など。
それらを一つ一つ勘案しなければ、
本当の意味での相談者が納得のいく
雨漏りの解決にはなりません。
私と相談者との様々なやり取りをした経験に
基づき、建物状況とそれに見合った雨漏り修理に
掛ける費用、方法についての考え方になります。
先ずは建物の建築年数と残存年数から見た
雨漏りの修理内容についての考え方。
ここでは木造住宅に限定した私見です。
建築年数別の雨漏り修理の考え方
※10年未満
※10年~20年
※20年~35年
※35年以上
※10年未満
新築10年未満の戸建て住宅が雨漏りになった場合、
ほとんどの家が「新築住宅瑕疵保険」に加入されて
いるはずですので、保証内容を確認してください。
新築住宅を供給した事業者が住宅瑕疵担保責任に
基づき修理を行い、その費用は保険会社から
一定割合を保険金として支払われます。
この場合は雨漏り原因を究明し、根本的な不具合
部分を健全な状態に戻す修理を選択します。
迷わず、建設・販売した住宅事業者に相談し、
修理をしてもらいましょう。
【新築住宅瑕疵保険】
住宅事業者が万が一の不具合(瑕疵)に備えて、
個々の新築住宅ごとに加入する保険です。
新築住宅に不具合(瑕疵)があった場合には、
住宅事業者が費用を負担し、直す責任が
[住宅品質確保法]により義務付けられています。
保証されるのは、
*基礎や柱等の構造体力上主要な部分
*外壁や屋根等の雨水の浸入を防止する部分
で保証される期間は10年間です。
※10年~20年
[住宅品質確保法]による保証期間が
が切れていますので、自費で修理する
必要があります。(例外はあります。)
この時期は家計における教育費の割合が高く、
また住宅ローンの残額もあり、
建物のメンテナンスに回せる費用を捻出する
余裕のないご家庭が多いかもしれません。
しかし、建物の資産としての「物理的耐用年数」は
充分あり、ここはしっかりと修理すべきと思います。
そうは言いながらも、厳しい現実もあります。
「ない袖は振れない」という方もいらっやいます。
その時は後半でお話しする「雨水の浸入を阻止する
防水による補修」で、構造体に雨水が浸入しない
ように防水する方法を検討し、取り敢えず、
一旦雨漏りを止めましょう。
但し、対蹠的な方法ですので、その点はご理解ください。
【物理的耐用年数】
経年劣化や自然消耗などにより、物理的に利用できない、
お住まいになれなくなる年数。
※20年~35年
子供さんが社会人になり、ようやく子育てから
解放され、経済的な余裕が生まれる時期です。
しかし同時に、内・外装のメンテナンスリフォームを
行う時期で、多大な出費が必要な期間でもあります。
ここが建物の寿命を延ばすか、縮めるかの大きな
分かれ目で、大事な決断をする時です。
建物の[物理的耐用年数]を伸ばすためにも、
屋根・外壁の再塗装、外装メンテナンスも含めて、
しっかりと雨漏り修理をしたいところです。
※35年以上
子供さんが結婚、独立、別なところでお住まいで、
ご夫婦お二人、若しくはお一人でお暮しの場合、
雨漏り修理の工事内容、それに対する費用を考える
のに悩ましい時期です。
[法定耐用年数]が過ぎ[物理的耐用年数]にも
近づき、どこまで建物の維持費にお金を掛けるか?
おおいに悩むところです。
相談者に今後の我が家に対する思い、考えを話していただき、
その思いに沿った修理提案が必要です。
【法定耐用年数】
税法で定められた年数、
減価償却で計上できる会計上の期間。
過去の悩ましい時期、状況事例のお話しです。
*建築後40年
*一人暮らしの80代の男性
からの雨漏り相談です。
*雨漏り発生時期は覚えていないほどの昔から
*雨が降るたびに、天井からぽたぽたと雨漏り
*畳はふやけてカビが発生し、生活に支障をきたすほど
さすがにヘルパーさんに促され、知り合いの方を通し、
私に雨漏り相談がありました。
雨漏り調査から修理までのプロセスをご説明し、
先ずは雨漏り調査を実施。
原因は直上の外壁の不具合箇所からの雨水浸入が
要因となり、二次防水の不具合が原因で雨漏りが
発生したと判断し、それに基づく報告書を提出。
報告書の内容に基づき、雨漏りを止める修理の
方法を三種類(下記内容①~③)提案し、
それぞれの見積書を提出。
① 外壁の撤去を伴う、二次防水のやり替えを含めた
根本的な雨漏り解決策のご提案。
② 外壁にカバー工法で重ね張りし、不具合部分に雨水が
入り込まないように導水の考えを取り入れた修理法のご提案。
③ 雨水浸入部分に防水シーリング材で止水して、
雨水の浸入を阻止する防水による補修のご提案。
雨漏り修理費用に掛かる費用は
①から②、③の順で高→安く抑えられます。
①、②の修理方法は雨漏りの再漏水の可能性は低く、
③の方法はあくまで対蹠的な補修方法であり、
防水材が紫外線や建物の動きで劣化すれば、
再び、雨漏りは発生してしまいます。
その度、補修工事を繰り返す必要があります。
相談者が選ばれたのは、
③の防水シーリング材による修理方法でした。
「取り敢えず一旦、止めて欲しい」とのお願い。
その理由は経済的な問題ではなく、
*家族構成
*建物の物理的な残存年数
*相談者の思い
からの理由でした。
相談者の方には
子供さんが二人おられ、一人は東京で所帯持ち、
もう一人は外国の方と結婚され海外に。
将来的にこの家を引き継ぐ家族がいないとのこと。
建物はさすがに40年も経ち、メンテナンスも
さほどされていなかったようで、
屋根材、外壁材は劣化し資産価値が乏しい。
相談者は一人暮らしの為、数年先には、
介護施設に入居する意向であるとのこと。
上記の理由から、相談者が「この家に住んでいる
しばらくの間だけ一旦、雨漏りを止めて欲しい」
とのご依頼になりました。
ヘルパーさんの出入りもあり、修繕に掛かる日数が
短く、精神的な負担も考慮されての理由もあるようです。
もちろん再漏水の可能性も理解した上での選択でした。
【まとめ】
*建築後10年未満の戸建て住宅は建設・販売した
住宅事業者に根本的な雨漏り原因箇所を究明して、
不具合部分を健全な状態に直してもらいましょう。
*10年~35年お住いの方が自費で修理する場合は、
物理的耐用年数のある約20年までは健全な状態に戻す
雨漏り修理がベスト。
約35年まではいろいろな修理方法を提案してもらい、
雨漏り修理か?建物の寿命を延ばす補修か?を
検討しましょう。
*35年以上お住まいの方は、
維持管理ができる家族がおられるか?
建物の物理的な残存年数・資産価値があるか?
お住まいに対する思いや経済的な余裕を
考え、修理・補修・対蹠的な防水方法などを
検討しましょう。
【最後に】
昭和の時代と違い、平成・令和の建物は
資材の品質、建築・防水技術の向上により、
建物の物理的な耐用年数は長期化しています。
建築後50年でも健全にお住まい出来るはずです。
物理的な耐用年数を延ばす為にも、早め早めの
メンテナンスの実施と維持管理を心掛けましょう!
雨漏りは「経験」「知識」「技術」のある
雨漏りと闘う!炎の雨漏りファイターへ
安心してお問い合わせ、ご相談くださいませ!
それでは今回のお話しはこれまでとさせていただきます。